副業・兼業に関する検討会報告書の公表

令和元年8月8日に「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」による報告書が公表されました(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06003.html)。

当該報告書では、副業・兼業を行っている場合の労働時間の管理方法について、健康管理・上限規制・割増賃金の各観点から、考えられる制度の方向性が示されています。例えば、健康管理については、副業・兼業をしている労働者について、自己申告によって労働時間を把握し、通算労働時間の状況を勘案して、使用者が健康配慮措置を採ることを公法上の責務とする方向性が一例として挙げられています(なお、例示されているいずれの方法についても、副業先における労働時間の把握は、自己申告が基本となるようです。)。

使用者として、副業・兼業を認めるのであれば、どのような形式で認めるか(原則容認か、届出制か、許可制かなど)、就業規則の規定をどのように見直すか(副業規定はもちろん、服務規律、懲戒処分、休職等の規定の見直しをどうするか)、労働時間管理方法の見直し(副業先での労働時間の把握方法、実態との齟齬の確認方法をどうするか)、実際の運用面での対応など、企業として検討・対応しなければいけないことは、多々あります。これが不十分であるとすると、副業・兼業を行っている労働者が、本業先と副業先とで合計した場合に過重労働に従事しており、健康を害してしまうなどの法的リスクが生じることが想定されます。特に、副業先における労働時間の把握を自己申告によるとすると、実態との齟齬が生じる可能性がありますので、使用者には、実態との齟齬を是正するための対応が求められるものと予想されます。

副業・兼業を認めることで、柔軟な働き方ができる会社であるというメッセージを発信することは大切ですが、それと同じくらい、法的リスクへの対応にも意識を向ける必要があります。

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